そして、彼はゆっくり私から離れた。



「悪い。」



「う、うん…………」



「……よし、戻るか。」



「あ、そうだね…………」



彼は歩き出した。



私はその彼よりも少し後ろの方に離れて歩いた。


彼に私の心臓の音をきかれたくなかったから。



少し冷静になって、あのような状況に
陥った経緯を考えてみた。



ことの始まりは………………



『もうちょっと………一緒にいてほしい…』



はっ!!!!!!!



わ、わ、私はなんてあんな恥ずかしい
ことを?!



どうしてだろ…………。分かんない……。



も、もしかして………これが恋なの?



そう、私は彼に恋をしてしまったのだ。