そっと
リボンをかけられた
閉ざした心の片隅に
淡いリボンの優しさが
閉ざした心の片隅で
ふわりふわりと揺れながら
閉ざした心の片隅を
そよ風みたいに包みこむ
淡いリボンの優しさは
君の呟くような言葉に似てて
どこか頼りなくて
すごく暖かくて
閉ざした心を癒してく
下天の内を比ぶれば
夢幻の如くなり
幸若舞 敦盛そのままに
茶筅髷 袖外した湯帷子
知謀尽くし武名鮮やか名をあげて
天下布武の印判用い
果てなき望みに突き進む
決戦に幾たびか舞い
己を鼓舞し挑んできたか
乱世をまさに手中に収め
紅蓮の炎の中に消ゆ
死屍累累の焼け跡に
覇王の首はなし
幻の名城 安土城
好城の天主吹き抜けの謎や
知る人なし
天下統一の未来図描きつつ
夢、灰燼に帰す
月の光が射し込む
柔かな光だ
闇の中、照らされた
黒塗りのヘーゼンドルファーが
眩く輝いている
ピアノを弾く手を休め
窓辺に立つ
光の射し込む先を見上げた
満月――
心の奥底まで侵食されていく圧倒感
煌々と月が輝いている
「来世へと結ぶ縁(えにし)を二千年
三五の月に我は祈りき」
心にポッかり空いた穴
壊れる寸前のロボットのように
ボロボロで
休みをください
癒しをください
叫ぶ声に気づいて
コンセント
プラグに差し込み
充電したら
きっとまた笑えるから
今はただ
何も聞かず
休ませてください
心に空いた穴が塞がるまで
ボロボロの体が
疲れを癒せるまで
バッテリー切れのロボット
エネルギー表示がfullを示すまで
充電させてください
何も言わずに
じっと立っている
何も言えずに
日射しを浴び雨に打たれて
動かずに ただじっと
誰も話しかけない
誰も存在すら気にしない
毎日同じ場所にいる
同じ場所で佇んでいる
犬の道標にされても
何も言わない
君は……寂しくはないのかな
空に向かって じっと立つ
そう……君の名前は電柱
知っているよ
誰もが知っている
君の頬が淡く染まるなら
僕はいくらでも君に囁く
胸に込み上げる君への思い
君の唇に
君が淡く紅をひくならば
僕はその唇と同じ色の花束を
君に捧げる
君の心が淡く紅に染まるなら
僕は君の笑顔のために
道化にだってなれる
暖まる僕の心が
君への思いで染まる
ピンク色の恋
淡く透けるような微笑みが
君の思いを伝える
明け透けの心に纏う
淡い薄絹が
僅かなベールとなり
僕を躊躇させる
伝えたい思いはたくさんあるのに
君の淡いベールをかぶった儚さが
ブレーキをかける
見えないほど薄く淡いベールなのに
明け透けの心が掴めない
淡く切ない思いがすれ違う
君の前で僕は いつも
失態ばかりしている
君の輝きが眩しくて
君の仕草がかわいくて
つい見とれて 思考も行動も
疎かになる
花粉症で目がショボショボする……
あの季節のように
花粉症で鼻がムズムズする
あの季節のように
君の放つ心地好い花の花粉は
僕に降り注いで……。
僕はメロメロになる
ごめん
今日も僕は花粉症だよ
叩けば埃がでるような
荒んだ生き方
好んでそうなった訳ではない
いつのまにか
そうなっていただけ
足掻けども抗おうとも
叶わね枷を強いられ
引き摺りこまれた
それだけ……
時の数ほど埃を纏い
朝も昼も夜も四六時中
生きることに追い立てられる
心の奥底までも浸食される
見えない自分の埃に埋もれて
窒息しながら逝くのだろうか