heure de la'nge〜天使の時間〜

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「課題完了〜〜〜〜っ!!!」


すっかり集合場所として定着したココの家に着いた瞬間、きぃは勢いよく叫んだ。


他の4人ーーー真までもが、それぞれの満面の笑みを浮かべている。



ココの部屋の中に入った瞬間、待っていたかのように、ユウとユキが立っていた。



「よくがんばったな」


ユウの満足気な言葉は、5人の心をより一層、軽いものとする。



「お帰りなさい、皆。
階下で皆さんのパートナーさん達もお待ちですよ」


ユキがココと手を繋ぎながら言う。


わっと、4人は素直に駆けおりた階段の音がココの耳へと届く。









「とうとうーーーやったのね」


ユキが優しくココを撫でる。


いつの間にかココがベッドにもたれ、ユキがその隣のベッドの上に座っていた。



その後リビングに集まり、ユウから他のグループの課題が終わり次第、天界へと向かい、どのグループが大天使になるのかの発表をすることが5人に伝えられた。






「早い者勝ちでは無かったのね」


アイカは笑いながら言った。

ずっと早い者勝ちだと思って、ひそかに焦っていたのだと言う。


「こなす課題が違えば、どうしても難易度は少しばかり変わってくるからな。
課題によっては長期間かかるものがあるかもしれないし」


ユウは説明的に言った。


それが平等と思ってはいるものの、その制度に、あまりユウ自身、納得してはいなかったのだ。




ただ今回ばかりは、この制度で良かったと思っていた。



早い者勝ちなら、その時点で5人の敗北が決まっていたからーーーー





彼の口は固かった。
そして、無駄にココの心を傷付けたくも無かった。



だから、彼の口からそれが語られることは結局、一切無かったのだ。




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「大天使が、決まったぞ」







その一言で、5人の心は今まで感じたことの無い、恐怖に打ち震えたーーーー










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「いつ……発表?」


ココはそう問うことが怖かった。





ーーー出来れば、ずっと発表して欲しく無い。



ーーー出来れば、今すぐに発表して欲しい。



そんな矛盾に満ちた気持ちが、ぐるぐると頭を回る。







「今度の土曜日だ」


そう告げたユウの顔はどこまでも無表情だった。





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ーーーそして、土曜日。


5人は早々に、パートナー達と共にココの家で集まっていた。




「2日に1度は、落ちたって言われた夢を見て、飛び起きるの」


おかげで寝不足よ。
そう、困った顔で言っていたアイカの顔は、今、恐怖で引きつっている。




「絶対受かってるもん、早く土曜日来てほし〜なぁ」

と、明るく言っていたきぃはずっと、「無理、無理っ!」と首を横に振って、きぃのパートナー天使にしがみついている。






あまりの2人の豹変ぶりに驚いた顔をしているココに、ユウは問うた。


「ココは怖くないのか?」

この間はあんなにビビってたのに。

とユウはからかいと心配の入り混じった顔でココを覗き込む。


「んー、分かんない。
昨日までは緊張してたんだけどね…」


薄笑いを浮かべ、答えにならないような答えを返したココを、ユウは分かるような気がした。



ふと顔を上げた視線の先の真と琉も、きぃやアイカ程外には出さないが、結果を見るのがこわいようだ。









「ーーーーん。そろそろ時間だな。

行くぞ、みんな」



ユウのその一言で、部屋の中の空気がピンッと張り詰めた。








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「ーーーここ…?」


ユウの後ろに着いて必死に翔んで来たアイカ達は、着いた先を見回して、不思議そうに首を傾げた。


「?どうしたの?」


ココは皆の空気に気が付いた。


天界に初めて来たココはただ、ここの場所に感動するだけで、アイカ達のように首を傾げたくはならない。