「あたしはーーーなつきさんの大切な人に頼まれて、なつきさんを連れ戻しに来たの。 あたしとなつきさんに個人的な関係は無いけど…でも、なつきさんに戻って来て欲しいって思ってる」 「ふーん……」 「ここは何も無いんだったらーーー他のとこ行く?」 ココのその問いかけに、なつきさんがかすかに頷いた、その時。 カチャっと静かな音を立てて、なつきさんの部屋の扉が開いた。