目が覚めたのは、病院のベッドの上だった。


…そうだった。
あたし陸さんに助けられたんだ。


「大丈夫か?」


隣を見ると、海斗が座ってこっちを見ていた。


「海斗…。
どうしてここに?」


「聞いたからだよ。それより体はなんともないのか?」


いつもと違い優しい口調の海斗になんだか調子が狂う。


「うん、大丈夫みたい。
…あっ、あたしのバックっ!!」


あたしは周りを見渡しバックを探した。


「??
…これか?」


海斗はベッドの横に置いてあったバックをあたしに渡した。


あたしはすぐにバックの中身を確認した。
…教科書に、参考書…それとしおり。


良かったぁ、全部無事だったぁ。
バックの中身を見て安心したあたしの顔を見て、勘が鋭い海斗がすぐに気付いた。