「沙由はやめておきなよ。その状態じゃ、冷静に話しなんて出来ないでしょ」

私がやんわりと言うと、悔しそうに下唇を噛んで俯いてしまった。

「……その代わり、もし周くんを見つけたらちゃんと一番に連絡する」

なるべく優しく頭を撫でると、沙由はやっと表情を柔らかくして、よろしくおねがいします、と小さな声で言った。