いつもよりのんびりとした朝。

ベーカリーカフェで今日は朝ごはんを食べることにした。

久しぶりに光信と出かけられると思うとすぐそばのベーカリーでさえ嬉しくて可愛く着飾りたくなる。


ニットのワンピースにロングブーツをあわせて、コートを羽織るとすでに準備を終えた光信が微笑んでいる。

光信はジーンズにダウンジャケット、久しぶりに見る光信の私服姿に胸がときめく。
だって、彼はすごくおしゃれでカッコイイ。



「ごめんね、待たせちゃった。

さあ、行こう?」

すると彼がニコッと微笑んで

「ああ。行こうか。

まだワッフル残ってるかな?

美穂の好物だからな。」

そう言って手を握ってくれた。

それだけで私の胸がときめく。

それなのにその握った手を光信の口元にあてがわれ私の指輪をしている指に優しくキスしてくれた。

もう、身体の芯まで一気に熱を持ってしまう。



車に乗って少し混んでるベーカリーの駐車場に停めた。
ほてった体が冬の空気を浴びて落ち着かせてくれる。

中に入ると偶然にも岳斗君が一人で座っていた。
彼は本を読んでいるからわたし達には気付いていないみたい。




光信も岳斗君に気付いたみたいで、私の顔を覗き込んで

「岳斗だな。

あいつもここに来るんだ。」

「うん、前に一緒に来たことがあるけど。

大晦日に用事があって。


前に話したよね?」


「ん?

ああ、そうだったな。



美穂は紅茶でいいか?」

カウンターでオーダーする前に光信が聞いてくれるから


「うん、それとワッフルもだよ。」

おねだりしてみると、

「当たり前だろ。

美穂の大好きなワッフル食べに来たんじゃないか。」


って言ってくれて思わず腕にしがみついた。

すごく嬉しい、一緒にこうやって過ごせていることで私のテンションは上がったままだった。


「後で一緒に岳斗の所行くか?」


「そうだね、相席なっちゃうかもだね。」


混んだスペースでテーブルを探すのは大変だと判断して私達は相席するつもりでいた。