朝から美穂を側に感じているのはすごく落ち着く。

彼女を抱きしめて離さないように俺の腕に包ませる。

すると起きたのか、腕の中にいる美穂の体がビクッと動いた。

そして、目を閉じていても手に取るように彼女の様子が感じ取られる。

俺の事を見つめる美穂を感じて思わず出た言葉に彼女の顔が一気に赤くなって涙目になっている。

あ~、この顔、俺の全身の神経が彼女に注がれて胸が高鳴る。

本当に美穂は屈託のない健気な姿で俺を翻弄する。



俺は昨日自分でもコントロールするのに精一杯なぐらい嫉妬にかられていた。

弱気な言葉も吐いて、美穂に心配かけた。
情けないが、美穂のことになると余裕がなくなる。

何万人もの社員とその家族の生活の責任を背負っている社長の俺が、美穂のことになるとまるで余裕がなくなる。
仕事も休んでしまった。
妹尾ならそれぐらいどうにか調整しくれるだろうが、こんなこと昔の俺なら考えられない。




「ああ。今日はずっと一緒に過ごそう。

まずはっと 


もう少しこのままで美穂を感じていたい。


いいかい?」


そして俺は美穂の前では子供のように甘えてしまう。


「うん、もちろん。

一緒に過ごせるの嬉しい。」

そう言って俺のそばにいてくれる美穂に安堵した。