思わず光信にキスしていた。

いつもなら私からなんてありえない。

でも今日の光信が疲れてるみたいで、少し弱々しく感じられて、私ができることってこんなことぐらいしかないから。


キスすると、びっくりしたみたいに目を見開いている光信。


私のほうが恥ずかしく顔をそらそうとすると

チュッと頬にキスされて


「愛してる。

ありがとう。


元気になった。」

それから思いっきり抱きしめられて、いつもの光信に戻ったみたいで私も抱きしめ返した。


「お風呂出来てるからゆっくり入っておいで。

その間に髪の毛乾かしておくから。」


そう言われて安心して私は風呂に入った。


光信が社長になってから毎日が忙しくて彼が無理していたのかもしれない。


私のお父さんは医者をしているから、オンコールで呼び出されると忙しくて家に帰ってくることもままならなかった。

お母さんが病院に行ってお父さんの世話をして、患者さんとも会話をして、

そんな生活が普通になっていた。

私もいつかそんな風になれるのかな?

光信ばかりが無理して私と会う時間を作っているんだったら。



真由の言葉が思い出される。



「あんたは、自分の幸せ考えないと。

濱っちといて美穂が幸せじゃないと、あんたがあわせることないのよ。


あっちが年上で大人なんだから、甘えればいいの。

わかった?」


いっぱい甘えてる。

でも、無理はさせたくない。

明日ちゃんと話そう。