美穂が真由のところで遊んでいると聞いて、いつものグループで楽しんでいるのかと思っていた。

いつも彼女のことを考えてくれている彼女たち。
安心して預けていられる。


少しお酒を飲んだと言って可愛く甘えてくる美穂に俺は嬉しくて電話越しで微笑んでたのを妹尾に見られていたぐらい。


車で真由の家に近付いてきた時妹尾が

「あれって、倉梯岳斗じゃね~か?

隣にいるのは、なかなかのイケメンじゃないか。

もしかして、真由ちゃんのところから帰るなんてことね~よな。」

車を運転しながらそういうので窓から外を見ると、岳斗ともう一人背の高さが彼奴と変わらないくらいの学生が二人で歩いていた。

岳斗が美穂に好意を持っていることは知っている。

アルバイトも一緒にして、時々美穂からも岳斗のことを聞かされる。

美穂は岳斗のことを兄妹のようにしか思っていないみたいだが、岳斗はそうは思っていないはずだ。

俺にあんなことを言っておいたのだから。




美穂のことになると余裕もなく今日だって真由が会社にやってきてすぐに彼女に話しに行っていた。

そんなことで少し頭が美穂でいっぱいになってた時、車が真由のマンション前についた。

「お前、顔引きつってるぞ。

愛しの美穂ちゃんと会うんだろ?


まーったく、なんで俺がこんなことの送迎までしなきゃならないんだっ。」

「お前が会社に戻るの面倒くさいって言ったんだろ?

このまま帰りゃアイツラと合流出来るんじゃねーの?」

アイツラとはもちろん、アキラとケイン。

二人が仕事終わりに飲むと連絡が入って妹尾も合流することになっていたのだ。


「だから早くお前ら帰してやるから、ほら連絡しろよ。」


俺は携帯に今着いたと連絡すると車を降りてロビーで待った。


真由と降りてきた美穂は少し顔が赤らんでいて飲んでたということが一目でわかる。

「楽しかったか?」

と聞くとこくんとうなずいて俺を見つめる美穂。

このまま肩を抱いて連れて帰ろうと思ったら真由が、俺の顔をチラッと見てから

「あ~、美穂に今日は泊まってもらおうと思ってたのにな。

濱っちわざわざ迎えに来るんだから。


来週は美穂に泊まってもらうからね。

合コンもあるし、あ~楽しみ。

それじゃ美穂、おやすみ。

濱っちもおやすみ。


バイバイ」

と俺に焚きつけるように話しかける。

美穂は全く気にしていないみたいだが、俺はその言葉が頭の中でぐるぐる周り出していた。