「美穂、どこにも行くな。

俺の側にいてくれ。」

寝ぼけているみたいでもないから

「どこにも行かないよ。着替えるだけ。

待ってて、すぐ戻るから。」

そう言いかけた時には私の唇は光信に奪われていた。

激しくいきなりキスされたから驚いて息をするのを忘れて、光信の胸板を押し返した。

すると唇が離れて、私のことを見つめる光信の目が少し揺れている。

「どうし..たの?

何かあった?」


そう言って私は光信を見つめ返すと彼の顔に手を当てていた。

そしてしっかりと私は彼と目を合わせる。

まだ濡れた髪が無造作に垂れていて彼の顔にあたっていて、

「ごめん。

早く着替えておいで。」

そう言うと光信は私の隣に寝転んだ。

「うん、すぐに戻るからね。

ほら、光信も髪の毛濡れてるよ。

風邪引いちゃうから、乾かそう?」


ベッドに起き上がった私は光信の手を引いて彼を起こすと光信が

「風邪ひいたら美穂と一緒にずっといられるかな?」

ポツリと呟くから思わず私は

「疲れてるんだね?

私がずっと側にいるから、光信の側にいるから。」


私は思わず彼にキスしていた。