「……やっぱりやめた」

デパートを出て、もっとファミリー向けの安価のものがある量販店へ向かう。
ぐるりと見て回って見つけたのは、佑くんと翔太の下着。

「うん。やっぱり下着は白でなくちゃね」

最近首回りが黄ばんできていた事を思い出して、それぞれに二枚ずつ買う。

それから、ぷらぷらとおもちゃコーナーを見た。
翔太の好きな怪獣のフィギュアがたくさんある。

「なにが一番好きって言ってたかな……」

一体一体のフィギュアの名前を見ながら指でなぞる。

そういえば、“一番好き”でもめたこともあったなぁ。


 

「ママ、すき」


翔太のおしゃべりが上手になったころ、私にまとわりついてよく言ってくれた。


「翔、パパは? パパはどうだ?」

佑くんが必死に翔太に話しかける。でも、一緒にいる時間の絶対量が足りないから、翔太はなかなか佑くんになつかなかった。


「や、ママがいい」

「遊んであげるぞ、ほら、高い高いしてやるから」

「ほんと?」

トコトコと進んで行った翔太を、佑くんが嬉しそうに持ち上げる。

「キャー」

大喜びで笑う翔太。佑くんも満足げに翔太をおろした。

「楽しいか?」

「うん!」

「そっか!」

嬉しそうに笑い合う二人。
これで翔太も祐くんになつくかなと思って見ていたら、またすぐ翔太が私の方にやってきてしまう。