明日はついに暁くんとデートの日。

どうしよう、緊張してくる。

海美からもらった水族館無料招待券とにらめっこ。


うぅ………。


どうせなら…奏汰…と行きたかったな。

って、そんなこと思ってたら暁くんに失礼だよねっ!


とりあえず、明日のデートは楽しまなきゃ!



奏汰のことは忘れないと、ね。



ピリリリリリ


「ぎゃっ」

びっくりしたー。


電話か。



……奏汰だ。


ピッ

「もしもし」

『もしもし。梨奈か?』

「う…うん。ど、どうしたの?奏汰が電話してくるなんて珍しいじゃん」


『……聞いてねぇんだけど』

と、あからさまに不機嫌な奏汰の声。

「え?何を?」


なんでそんなに不機嫌なんだろう?

あたし何かしたかな?


『……デート。滝川とするらしいじゃん』


「な…なんで知ってんの?」

あたし言ってないんだけど。


『……別に。ま、せいぜい襲われないように気をつけろよ』


さっきまでの不機嫌の声とは打って変わって明るい声。


意味わかんないんですけど。

「暁くんはそんな人じゃないから大丈夫ですー」