それからHRが終わって帰ろうとしたら女の子たちに囲まれた。
「ね!柏木さんって奏汰くんと付き合ってるの?」
「え?いつから?いつから?」
「お似合いだよねー!美男美女で羨ましーー」
っとまぁ。
口々に様々な面白いことをおっしゃっておられるようでして。
「「「「で?どうなの?」」」」
って言われましても。
「ただの幼なじみなんですけど……」
としか言いようがない。
「「「「ええええーーー!?!?!?」」」」
うん。あるね、この感じ。
毎年経験してる気がする。
「えー、もったいない。でもいいなぁ。あんなかっこ良くて、頭も良くて、優しい幼なじみがいて!」
……どこが?
かっこいいのは認めるよ?頭いいのも。
でも、え?優しい?単なる意地悪でしょ。
って言いたいけど、出会って早々そんな発言できない。
「そうかな?笑笑」
って、いつものように無難に返す。
「えー!羨ましいーよ。ほんと。あ!じゃぁ、好き、とか?」
「あー!よくあるあるの。マンガとかドラマとかで」
「近すぎて言えないけど、本当は好きなの!とか?」
「きゃーー!いいね」
……。
ありえない。
てか、みんな、あの外見に騙されてるだけだから。
「「「「で?真相は?」」」」
「んー…ないかな…あははは」
「えー?他にいないよ?あんな人」
「せっかく幼なじみなのに」
あのーー…私はいつになったら、この質問から解放されるんでしょうか?
いい加減帰りたいんだけどなーー。