「海美!お待たせ!」
「梨奈ー!遅い!寝坊?」
「違うよ!奏汰起こしてたの!相変わらずの寝ぼすけなの」
この子は藤堂 海美(Umi Toudou)
あたしの大親友。あたしに対しての嫌味?って思うほどの美人さん。おまけに成績優秀で。性格もさっぱりしてて、男女とわず人気者。
「大変ねー、幼なじみも。てか、いい加減付き合えばいいのに」
「あはは!それ面白い冗談だね!てか、奏汰。彼女いるじゃん」
「え?別れたって聞いたけど?1ヶ月前くらいに」
「うそ!あたし聞いてないんだけど!」
たしか…バレンタインの日に付き合ったから…1ヶ月も経たないうちに別れたってこと?
相変わらずチャラ男だね。
いつか刺されそう。
「タイミング逃したんじゃない?」
「えー?毎日嫌ってほど顔合わせたのに?」
「え?そんなに合わせてたの?顔」
「うん。何でかわかんないけどよくあたしの部屋にいたんだよねー」
本当、何でだろう?特に何もするわけでもないのに。
宿題して、あとはゴロゴロしてただけでしょ?
そんなの自分の部屋でも出来るのに。
変なの。
「ま!高校別なんだしこれからはあんまし会わなくなるから春休みは会っておこうって思ったんじゃないの?」
「なるほどね!あ!着いたよ!うわーー。人多いね」
「うん。さすが人気校ってだけある」
あたし達が入学したのは都内でも1位、2位を争うくらいの人気校、藤堂学園。
なんと海美のお父様がこの学園の理事長なんです!
ほんと、凄いよねー。
「あ!海美!あたし達同じクラスだよ!」
「当たり前じゃない!パパに頼んでそうしてもらったんだから!ちなみに3年間一緒よ!」
「え?いいの?そんなことしても」
ダメなんじゃ………?
「いいのいいの♪さ!教室行きましょ?」
……海美ってば。