《教室で待ってるね》
携帯の画面に映るなんの飾り気もない文面が愛しい。
「よし…」
俺は上靴に履き替えると急いで教室へとむかった
先輩たちの教室は一階だからすぐそこだ
二年生の教室が見える廊下へ曲がろうとしたとき
「光遅いな」
「そだね。友達との話長引いちゃってるのかも」
「ったくあいつは。千晶を、ってゆーか女を待たせるなんてダメだな」
「あはは。いーんだよ、藤宮光は」
そんな会話が聞こえてきた。
……この声、丹田千晶と…
「ってか、帰らなくていいの?慎ちゃん。私なら大丈夫だよ~」
この声は、慎先輩だ
「…ん?全然いいよー。どうせ暇だし」
そこに慎先輩がいる。
そう思うと教室へ入れなくなってしまった