なんつーか…冴えない男?
顔を見ても覚えられなさそうな…
いや、こんな強烈なメンバーのなかにいるからそうなっちまったのか。
様子を伺っていると丹田千晶を呼び出しているよう。
…まさか、ついていかねえよな
一応丹田千晶は中身と違ってかわいい。
例えるならウサギ?
色は白いし目は丸くて、とにかく整っている。
もし、丹田千晶の中身を知らない男が密室で二人きりになったら…手を出す確率の方が早いだろう。
丹田千晶はそれを理解しているのだろうか。
「いってきまーす」
俺の心配をよそに着いていこうとする丹田千晶
快く送り出す先輩方。
俺は思わず丹田千晶の腕を掴んでいた。
…まぁ、慣れたの一言で離すしかなくなるわけだが。
「どんまーい。光くーん。」
丹田千晶のいなくなった教室で俺の肩を抱いてきた慎先輩。
「…なにがっすか」
俺は拗ねた子供のように顔を背ける。
「でも、まさか光くんがそこまで千晶を気に入ってたなんてな~」
漫画からゲームに持ち代えた翔太先輩が言った。
「…別に。おもちゃ傷つけられるのは気に入らないんで」
俺は顔を背けたままだ。