「すいません」



とりあえず謝って相手の顔を見ると




…なんだこいつ。




そう思ってしまうくらいに綺麗な顔をしていた。



きっと、これが丹田千晶だ




そう思うと欲が出てくる。




声が、聞いてみたい。




それなのに丹田千晶はぼーっと俺の顔をみていた。




見られるだけで顔が赤くなりそうな感覚になったのは初めてだ





「あの…?」




自分でも驚くほど低い声



顔が赤くなる前にと焦ったせいで怒っているような低い声が出てしまった




…やばい、泣いたりされたらめんどくせえ





俺は女は冷たくするとすぐ泣くものだと思っている



それなのに…





「いや!綺麗な顔だなーって思いまして!私なんかよりずっと可愛いな!みたいな!!!」




丹田千晶は急にわーっと話し出して、俺の顔を見ずに一人で話を完結した。



…てか、綺麗とか可愛いってぜんっぜんうれしくねえし!!!!!



自分の眉間にシワが寄っていくのが分かる。




あ、とでも言いたげな丹田千晶。



…なんだろう、この気分は。



女と話してるときとは違う感じ…



例えるなら、そう。



洋太と話しているような…




「自分がブスだからってひがまないでくれる?千晶先輩」











…やっちまった。