「光~!応援しっかりしろよ!」
「わーってるよ!」
試合当日。
俺はチームメートの言葉に自分の手首を見た。
ぐるぐるに巻かれた包帯。
動かすと少しだけ痛む。
「はぁー。」
これから出る選手のなかにいると自分が情けなくてしょうがなくなる。
俺はふらりと会場をうろうろし始めた。
ギャラリーから見るとこんな感じなのか…
そう思いながらギャラリーの手すりに触れながらぼーっとコートを眺める。
観客は結構な人数で隣の人と肩が触れあうくらいの距離。
「結構人すごいんだねー」
「うちのバスケ部はイケメン揃いだと有名だからな」
「翔ちゃん慎ちゃん大丈夫かな…」
聞こえてきた隣の人たちの会話。
これ、あんま会話になってなくね?
思わず笑いがこぼれた
「ふっ」
やっべえ!!!