「……咲陽」

仕事帰りを待ち伏せしたアタシに、
静かに驚く久美。


「なんで待ち伏せなんかしてんのか、
わかったよーな反応だな」

問い詰めるように睨んだ。


「さあ…わかんないけど?」

目を逸らす久美。



「じゃあ聞くけど…

あの日、"遅れる"メールはアタシにしか送ってないよな?

ハルには前の日に、1時間遅い集合時間の変更メールしてんよな?


どーゆー事だよ!?」




久美は深くため息をついて…



冷たく笑った。


「そーゆーコトじゃん?

春明に、おもしろいショーでも見せよーかと思って。

ま、意外に早く終わったみたいだから、
見せらんなかったけど」


あざ笑う久美に…



怒りで一瞬、頭が真っ白になった…



「ふざ…けんなよ…



自分が何やったか、わかってんのかよ!!
アタマおかしンじゃねーのか!!

なんでっ、
なんでこんな事すんだよ!!」



久美の信じられない言葉に発狂しそうだった。