「そのレイプされた日が…

二年前の今日なんだ」



ひととおりの話を…

ナオは静かに聞いていた。


視線を落としたまま、
悲しげに空(くう)を睨んで…


そして握られた手には、いつからか力が込もってる。



「ナオ、痛てーよ…」

「え?…あ、ゴメン」


緩められた手が、再びキュッと密着する。



何も言わなくても…

アタシの心に、寄り添ってくれてんのが
解る。




「前にさ…

ナオの建設業を、"ヤンキー定番の職業だ"って、バカにした言い方したの覚えてる?

アレはバカにしたんじゃなくて、この過去のせいで、嫌なイメージがあったからなんだ…ごめん」


ナオは優しい瞳で見つめて、もう片方の手でアタシの頭を撫でた。