「ペケジェか…」

「知ってんだ?」

「うん。

…元カレが乗ってた」




思い出したくもない元カレ…




あからさまに曇るアタシの顔を見て、
ナオは話を変えた。


「タバコ吸う人?」

と、自分のパーラメントを差し出して来た。


「吸うけど…

アタシのあるし」

今度はアタシが拒否。


「じゃあ、吸っていーよ」


マジ?

いーヤツじゃん。


「ありがと」

アタシは自分のセッターに火をつけた。



つーか…

タバコでも吸わなきゃ、間が持たない。




それから、他愛もない会話をして…

なんとか時間をやり過ごした。








仕事が終わった帰り道…


久しぶりに思い出した過去(元カレ)に
たたずんで…

夜空を見上げた。


そしてまた、アタシは黒い夜の闇を歩き
始める。