ハナシ流された!
って思ってんだろーな、ナオ。


「…で、なに?知りたい事って。

なんでも聞けよ」



ナオは一瞬 驚いて…

嬉しそうに目を伏せた。


そして、改めてアタシを見つめて…


「名前が知りたい」



名前!?
本名の事か?


「…いーけど」

なんか照れくさい…



「…

サヤだよ。セト サヤ」



「サヤ!?

可愛いな!どんな字?」


ナオのテンションが上がった。


アタシはペンを取り出して、ナオの手に
漢字を書き始めた。


「あ、紙あるよ!」

「いんだよ、手のほーが消えるし」




瀬戸 咲陽




そう書かれた文字に、見惚れるナオ。


そして突然、はしゃぐように笑い出した。



は!?なんだよ!


「…どーせ、似合わねーよ」

アタシがすねると…


「違…逆だよ!

すげー似合ってて!」

と、笑いながら答えた。


どこがだよ!