何度も死を考えた。


でも自分を壊す事で…
それと戦って来たんだ。




「ごめん…」


沈黙を遮って…
ナオがアタシを抱きしめた。




なに八つ当たりしてんだろ…

人の気持ちなんて、
わかんなくて当たり前なのに。


でもナオなら…

受け止めてくれると思ったんだ。


アタシもナオを抱きしめた。




「…当然ってのは、ごめん。
でも…

投げ出してほしくない」


そう続けて、ナオはゆっくり身体を離した。


そして、力強い瞳でアタシを見つめて…


「オレはどんな不幸に落とされても、
絶対這い上がるし…

オレにとって大事な人も、同じように
救い出す」


力強い声で、そう答えた。



大事な人って…
アタシに言ってんのか?




ナオだったら…

ほんとに、救ってくれそうな気がする。