タバコを吸い始めたナオの手が、視界に
映る。



職人の手だな。

こーゆー手、キライじゃない。



この手でナオは、どんなふうにオンナを
抱くんだろ…?


思わず見惚れると、ナオと目が合った。


アタシ!
なに考えてんだよ…

つい、目を逸らした。



「…あのさ、今の冗談だから」

やっぱりナオの事、利用出来ない。

したくない。


キョトンとするナオに、

「ありがとな、ナオ」

そう言ってアタシは、その場を後にする。


「夕月!」

慌ててナオが、後ろから腕を掴んだ。



ナオ…

退店だろーから、
もう会う事もないかもな…


「…じゃあな、仕事頑張れよ」

ナオを見つめた。

困惑した、ナオの表情…


アタシは少し微笑みを浮かべて…
ナオの手をゆっくり戻す。



そして、公園の入口に停まってるタクシーに乗り込んだ。


ナオの事は振り返らない。








さ、これからどーしようかな…