「悪いけど…」

「頼むよ!
もうすぐ、親来るんだ」


はァ!?


「それで今日、店休んでるし」



あーも!!
自分勝手なヤツだな!




ったく…

しょーがねーな…



自分の甘さ加減が嫌になる。






「俺の親、こっそり偵察するタイプだから、この辺からイチャついてもらってイイ?」


クソ…
めんどくせぇ。


アタシ達は、肩を抱き合うようにして歩いた。








「尚さん、この近くに旨い店あるんスけど、昼メシそこにしません?」

「おー、連れてけよ」



路地裏の工事現場から、表通りに出ると…

道路を挟んだ目の前に、
男とイチャつきながら歩いている夕月が
尚 の視界に入った。


思わず見入る 尚。