その頃 龍 は、走って行ける範囲を汗だくになって、必死に探し回っていた。





そして、ようやく見つけ…

「サヤっ!」


叫んだが、声は届かず…
咲陽はレイカとマンションの中に消えた。





事務所に戻った 龍 は、

「サヤ見つけたっスよ…

オンナのコと、○○マンションに入ってったっス…」


グッタリした様子で、尚 に告げた。


それを聞いた 尚 は、少し安心して、
片手で顔を覆いながら、大きく息を吐いた。



「お前…」

智和は、龍 の様子からその気持ちを察し、驚きでそう呟いた。



「俺、バテたんでもう上がります」

龍 は、尚 に対する腹立たしさから、
そう吐き捨てて、事務所を後にした。




「尚 …

俺、2・3日居るつもりで来てっから…
誤解は俺が解くからな」


そう言って智和は、タバコに火を着け、
"吸えよ"とゆうふうに、尚 に突き出した。