「今、サヤ泣いてたっスよ!?
尚さん、追っかけなくていんスか!?」


尚 はうつむいて、崩れ落ちるように座り込んでいた。



「つか、なんで智和(ともかず)さん居るんスか!?」


幼馴染の智和は、気まずそうに立ち尽くしていた。



「あ〜も!なんなんスか!

俺、行きます」

そう言って 龍 は、咲陽を追っかけた。





「ワリィ…
驚いて、つい…

つか、お前…
バレんのを恐れて、俺にヘンな態度とってたんだな?

だったらなんで、前もって言わねんだよ?」

沈黙を破って、智和が口を開く…


「…

言っても…
ヤメとけっつーだけだろ?」


「…

ま、そーだな…
お互い思い出して、傷つくだけだ。

なにも…
あのコじゃなくていーだろ?」



尚 は黙り込む。



「つーか…
あのコ、誤解してんだろ?

いーのか?こんままで…」



無言のままの 尚 に…


ため息を吐く智和。