何処に行くワケでもなく…

何処に行けばいいかも解らず…



ただ、


ただ、



走った。




息が切れて、その場の壁にぶつかるように、もたれかかる…




2年前、あの日の…

アタシを襲う男達と、ナオの顔が重なって…



ゴンっ!!


それを打ち消すように、壁を殴った。



痛みが後から押し寄せて、血が滲む。


だけど…



そんなの気になんないくらい…



心が痛い。





救ってくれた 光 は…


アタシを壊した 闇 だったのかよ…




「クっ…ソォっ!!」

ナオから貰ったペンダントを引きちぎる。


なかなか切れずに、首に擦り傷を残した
ペンダントを、地面に投げ捨てた。



だから…

あんな必死に傷を消そうとしてたんだな!