「じゅーぶん、サプライズ出来たみてーだな?」

幼馴染は、満足そうにタバコを吸い始めた。



「なんで、いんだよ?」

そっけなく言い放つナオ。


「あぁ、O県で仕事があってな。
帰りに寄ったんだ」


「…

連絡ぐらいしろよ」

苛立つふうに呟く。



なんだ?
ケンカでもしてたのか?



「お前だって、
オンナ出来た事、隠してたじゃねーか」



ナオは無言で片付けを始めた。



「つーか…
なにキレてんだよ?

邪魔なら帰るわ」


幼馴染はタバコを消して、続けた…


「ま、お前もたまにはF(県)帰って来いよ。お袋さん心配してたぞ」




え…!?



F(県)!?



「ナオ…

お前、地元はH(県)じゃなかったのかよ?」


「は?お前、H(県)つってたのか!?」



ナオは背を向けたまま、
片付けの手を止め黙り込む。