アタシのマネかよ?


バーカ…って、
言ってやりたいけど…

誕生日だし。



「そんなに惚れてるよ。

すごく、好きだから…」



付き合った日以来、初めて口にした。


ナオは驚いてアタシを見つめた。


そして、うつむきかげんに…
右手で顔を覆った。



「泣いてんのか?」

わざと茶化して、
ナオの頭をなでなでした。


途端に、ナオの右手がアタシの撫でる手を掴んで…

そのままそれを、おでこに当てて…



時間が止まる…




アタシはただナオを見つめた。




ぎゅっと握られた手に…

そっと唇を押し当てて、時間が動きだす。



ナオの、こーゆー独特の間(ま)が…


たまんない…




「オレ、幸せ…」


そう呟いて微笑むと…
またケーキを食べ始めるナオ。




頑張ってよかったな…アタシ。