「夕月ってさ…」

そう言いながら、アタシの顔に手を伸ばす…


「口悪いよな」

そう言って微笑みながら…

ナオの親指がアタシの唇を、ゆっくりと
撫でた。





な…





「やめろよ」

思わず、ナオの手を振り払った。



なんだ?今の甘い雰囲気…



つか、なんでスキンシップ拒否ってんだ?アタシ…




でもアタシは、恋人ムードで接客するタイプじゃない。

テクニック重視でやってきたから…



こーゆーの苦手だ。




ナオは余裕そうに笑ってるし。

…ムカつく。



「じゃあさ、何の目的で通ってんだよ?」


アタシはソファーに座って、タバコに火をつける…

あえて、悪態をついた。



ナオも隣に座って来て…

「夕月の事、気になったから」

と、見つめて…

アタシの髪に指を絡ませる。