ナオは、驚きと悲しみの表情を浮かべて
聞いていた。



ふいに…

繋いだ手が、ほどかれて…


ぎゅっとアタシを抱きしめる。





アタシは…





泣いていた。




自然とこぼれていた雫に、驚いた。



今日までずっと堪えてきたのに…
久しぶりの涙だった。





アタシはナオに甘えるように身体を預けて、ゆっくりと話を続けた。



「…そのあとすぐに、
ココで働き始めたんだ。

ちょうど誕生日だったから…
アタシは"夕月"として生まれ変わった。


でも、最初の頃はよくフラッシュバック
してたな…


もう全てが嫌になったり、

疲れて、もういーかなって…
何度も死を考えたりしてた」



「…でも、

逃げず(死なず)に戦って来たんだな」


そう言って、慈しむようにアタシの頭を撫でた。