「…ごめん」

そう呟いて、
ハルはアタシの身体を離した。


「久美と話したんだ…

アイツを狂わせたのは、俺なんだ」


「…ハルは悪くねーよ」



小さく首を横に振って、ハルは続けた…


「幼馴染って厄介でさ…

アイツに初めて男が出来た時、
今まで遊んでた俺は、やっと自分の気持ちに気づいた」


「なに…

言ってんだよ、ハル」


「だけどアイツは遊びまくってて、
俺の事なんか、なんとも思ってねーんだなって、俺も遊び続けた」



そんな話、聞きたくない!

「やめろよ!」

アタシは耳を塞いだ。



「でもアイツも俺と同じよーに、
いや、それ以上にずっと苦しんでた。

俺がちゃんと、気づいてれば…」



塞いでても、聞こえる声…



「だから…

これからは久美を支えていきたいんだ」









アタシも他のオンナと同じ…

身代わりだったって事かよ…





大粒の涙がこぼれた。