澪が 顔を上げたのは 横目でわかったけど…俺は ただ前を見てた。

…前しか 見れなかった。


「そう?…1番か、やったね!」


棒読みのように喋り、緊張が増していく俺とは 反対に 解れていく澪…


180を 夜景の見える高台に止める頃には 友達に話すかのように 俺に話しかけていた。


「S13シルビアかぁ。…結構 古いよね
かっこいいけど、維持 大変そう。」

「状態 いいの見つけたら大丈夫だろ。」


クルマから降りずに 車内で 澪が買うクルマは 何がいいかと 話し合う。


ポンポン繋がる会話に 俺のテンションは
めちゃくちゃ 上がってた。