登校中、独りそんな事を考えている間にも、時間は早足に・・・どころか猛ダッシュで去って行ったらしい。
美沙は腕時計に目をやる。
今時珍しいデジタルの時計に、8:05の文字が浮かんでいた。
ヤバイかも。
学校まで、あと500mほどある。
歩いていたら、確実に間に合わないだろう。

(走るしかない、かな)

今日はミニテストがあるため、遅刻するわけにはいかなかった。
ならば、取るべき道は1つきり。
髪型やら制服やら・・・崩れるかもしれないけど。

(しょうがない)

覚悟を決めて、美沙は走り出した。