私が吉永君を好きになったのは、本当にささいなことがきっかけだった。

高校に入学したての頃、バスで吉永君を見かけた。

その時はクラスが別だったから、同じ学校の人だ、くらいにしか思っていなかった。

それから毎日見かけるようになって、何の気なしに目で追っていた。