「あれ、ところでここで何してるんだっけ?」

振り返った姉貴が足を止めずに声を張り上げる。

「春を待ってんの」

「はっ? 春?」

「そう。青い春」

変な奴とでも言いたげに首をかしげ、姉貴の姿はやがて見えなくなった。