悠輝side


「お?なんだなんだ?今日テンション高くね?もしやのもしや。あれ?」
「うるせーな。だったらなんだよ!」

自分でもわかるくらいに今日1日じゅうテンションが高い俺に陸が挑発してきた。

てか、今まだ授業中だぞ?陸は頭がおかしいのか?
俺は時計を見て心の中でつぶやいた。
....ん?お!5!4!3!2!1....
キーンコーンカーンコーン

3時間目の授業終了のチャイムが鳴り響く。あいつに会えるまであと1時間じゃねーか!やべー♪テンション上がるわ。

あいつとは上野未来。....俺の初恋の相手。上野とは、まだ、同じクラスになれてなくて話したこともなかった。ただ俺も顔はイケメンの部類に入るらしくて毎日女子にきゃーきゃー騒がれてる。
....俺は上野以外興味ないっつーの。
俺が上野の存在を知ったのは高1の秋。高校の文化祭の時だった。上野は何事にも一生懸命取り組んでいるが、天然な性格のせいかドジったりして困ってるところを見たことがある。
....多分俺はそこに惹かれたのだろう....上野を見たとき守ってやりたいと思った。
これが俺が初めて人を好きになった時だった。

このことを同じバスケ部で同じクラスで親友の陸に話した。陸によると陸の彼女が上野の親友らしく、やろうと思えば一緒にご飯食べたりできると言われた。

要するにさっき陸が言ってた「あれ」とに俺と上野と 陸と陸の彼女の4人で今日の昼に4人でご飯を食べることだ。

昨日いちごパンをあげこと覚えていてくれるといいけど....

気がつけばもう4時間目が終わっていた。
陸の携帯に[わたし達はもういるよー!だから早く来てね♡]と陸の彼女からメールが来ていた。俺たちは売店で急いでパンと飲み物を買って空き教室へ走っていった。

ガラガラ!
空き教室の扉を開けると上野たちが話をやめてこっちを見てきた。
――色素のうすい髪に白くて綺麗な肌。ッチリとした大きな目にクルンと上を向いているまつげ。上野の全てに一瞬見とれてしまったことを隠すかのように。バレない様に俺はニコリと笑って
「上野さん。こんにちは。柊 悠輝です。これから、よろしくね?」

自己紹介をした――