「レイさん、大丈夫ですか?」
緊迫したムードに似つかわしくない、可愛らしい小柄な天使が俺達の前に姿を現した。
この、バカが…。
チカについてるんじゃなかったのかよ?
睨みつけた俺に気付いたセリュは俺のその態度に、すぐに気付いたんだろう。
なんとも申し訳なさそうな顔をしながら、俺の傍までやってきた。
「す、すみません。チカさんが屋上に行けって言うものですから…。僕も心配でしたし」
「それでもアイツについてろよ」
「チカさんは大丈夫だと思います。…それよりレイさんが一番危険だと思ってここに来ました」
コイツは天使だからか?
俺様に突っかかる言い方はよくするが、それでもチカに対するのと同じくらい俺様にも慈愛に満ちた瞳で見ているのはずっと気付いていた。
いつも思うが天使ってやつはホンと、バカだよな。
悪魔にも優しくてよ---