「ま、いいや。早く戻って来るんだよ」 ゆーりの言葉にコクンと頷き、走り出した。 早く…、 行かなくちゃ--- レイは大丈夫かな? 本当に何事もなければ、そけでいい…。 でもセリュが一向に戻ってこないって事は、やっぱりおかしい。 何かあったのかもしれないのだと、そんな予感がして屋上を見上げた。 灰色の空に包まれた屋上はここからだと、まるで何事もないように見える。 言いようのない不安が私を埋め尽くし、唇を噛んだ。