「それじゃぁ、大西さん。僕はもう行くね」
「………先輩、あの…委員会でまたお会いする事になりますが、宜しくお願い致します」
「勿論。これからも先輩として、後輩である大西さんの事を可愛がるつもりだよ?」
「か、可愛がる?」
「…じゃ」
私に背を向ける瞬間、先輩は『お幸せに』と言ってくれた。
それはもう、眩いばかりの笑顔で…。
それに見とれてしまった私は、そのまま固まってしまっていた。
遠ざかる先輩…。
さよなら、私の恋心---
先輩の背に向かって心の中で呟いた。
………って、ああぁぁぁぁ!!!
そうだッ!
屋上に行かなくちゃだよッ!
なにのんびりしてんのよ、私は…。
早く屋上に行かなくちゃと…足を踏み出した、…その時---