「なんで大西さんが、僕の走っていた時間帯を知ってるの?」
「えッ…、えっと先輩、私の家の前走りました?」
私の言葉に合点がいったのか、そうか…と呟きながら頷いている。
よ、良かった…、
適当に言ったんだけどどうやら当たったみたい---
「そっか…。大西さんはあの時間、窓の外を見ていたんだね」
「えへへへへ…」
「でも外に出なくて良かったよ。…実は僕が走っている時に女性が引ったくりにあってね。それを追いかけて捉まえたんだ」
えっ…、昨夜もし”外に出る”を選んでいたら、私はそれに巻き込まれていたかもしれないの?
ゾワッと寒気がして身震いする私の肩に、先輩の手が乗った。