「もしかして大西さんも僕の事を聞いて、ここに来たの?」
「あ、いえ…」
首を振る私にそうか…、と呟いてまたニコリと笑顔を向ける。
そうしている間に周りの人達の興奮も少しずつ収まってきたのか、徐々に人が減っていくのが視界に入った。
「実は昨夜、マラソンしてたら…」
その言葉で、あぁ…と思い当たる事があり昨夜の出来事を思い出す。
もしかして夜、”外に出る”の選択肢が出た時間帯かな?
「先輩がマラソンをした時間って夜九時過ぎですか?」
その瞬間、目を見開く先輩にやっぱり…と心の中で頷いた。
もしあの時、私が”外に出る”を選択してたらマラソンをしている三上先輩と会っていたのだろう…。