「凄いねー」


「へー…、あの人が?」


「その話しってマジで?」



私の周りでそんな声が聞こえてくる。


一体、何の事だろうか?




「大西さん」


「ッ!み、三上先輩ッ!」



い、いつの間にこんなに目の前に?


考え事をしている間に先輩は私の前まで来ていて、そして微笑を私に向けてくれた。




いつもの私なら、先輩の微笑みを見たら嬉しくて興奮するのに…、


今は屋上に行ってしまったレイの事が気になって、先輩の笑顔を見ても気持ちが全く動かなかった。



こんな事は初めてで、戸惑ってしまう。




そんな私のなど気にする事なく、先輩は笑顔で私に話しかけてきた。