私に天使の微笑みを向け、そして屋上を見る。
その瞳はとても鋭かった---
そんなセリュを始めて見たから少し戸惑ったけど、男らしいその顔に頼もしくも感じた。
バッと翼をはためかせ飛び去るセリュを見送る。
セリュになら安心して任せられると、そう思いながら…。
屋上で何かあったのだろうか?
何事もなければいいな…。
そう思っている内にいつの間にか私の身体は、人混みの渦中へと入っていく。
すぐに中人物が誰なのか分かった。
途端、私は驚き目を見張る。
「先輩ッ?!」
思わず大声を出してしまった---
こんなにたくさんの人が溢れ返っているのに…、
先輩は私の声に気がつき、視線を私に向けてきた。
そして…、
先輩の満面の笑みが私へと向けられる。
いつの間にか私の足は止まっていた。
先輩がこの人の輪の、中心人物なの?
なんで?