「良かったね。チカ、先輩の事好きだったもんね」
「うん、…でも本当に一緒に走っただけだよ?」
「私は結構、大きく前進したと思うよ?頑張れ、チカ」
「ありがと、ゆりちゃん。みーやもありがと。…でも、本当にまだまだ…ってあれ何?」
校門を入って少し歩くと、大勢の人達が集まって騒いでいたのが目に入った。
何かあったのかな?
ゆりちゃんもみーやもその光景にかなり驚いているようで、目を見開き固まっている。
そう…、
五十人程の人達が誰かを取り囲むように、集まって騒いでいたのだ。
気になる…。
二人に目をやるとゆりちゃんもみーやも、うんッと頷いた。
皆の気持ちが一つになった---
あの大勢の中に入るのは嫌だけど、気になるものは気になる。
よし、行くぞ!
そう覚悟を決めた。
………時だった。