『雪、止んでしまいましたねぇ~。残念です』
「………」
『そう思いませんか?チカさん』
寒空の下、白い息を吐きながら学校までの道のりを、二人の悪魔と天使が羽をパタつかせながら私の傍を飛んでいる。
しかしこの二人、私以外に見えないようにしているからここで返事をすると、どうしても独り言を呟く気味の悪い女へと早変わりだ。
ゴメン、セリュ---
私は無言を貫きます。
『オイコラ、返事くらいしやがれ。…お前、後ろの髪の毛が跳ねてるぞ』
「………ッ」
そう言ったレイは私のセミロングの髪を、サラリと撫で上げてきた。
ただ、普通に私の髪にレイは触っただけなのに…、
レイに触られた部分だけが妙にくすぐったく感じて、フルフルと頭を振る。