「ふぁ~、気持ち良いよ~。セリュ、ありがとう」
「どういたしまして」
「ダメだ、止めろ」
レイの声と同時に、体感温度が一気に戻った。
寒さに身体がブルリと震える。
身体を縮こまらせながせプクッと頬を膨らませ、そしてレイを見た。
珍しく、真面目な顔つきのレイがそこにいた。
「俺達の力に頼ってるといずれ俺達がいなくなった時、困るのはお前だ。こんな力になれない方がいいんだよ」
「え~、ちょっとだけだよ?」
「それでもだ。俺達の力をあてにするな。…メシにするぞ」
そう言ったレイはマントをフワリとはためかせ、方向転換して部屋から出て行った。
レイの言葉に一理あるけど、少しくらいいいじゃない。
…と思ったけどそれよりも気になる言葉は---
いずれ俺達がいなくなった時…って言う言葉を聞いた瞬間、冷水を浴びたように身体が震えてしまった。