「ごめん、そんなつもりはなかったんだ。えっと…、ご飯にしよっか」


「…………」



今だに睨みつけてくる視線に耐えれなくなって、レイから視線をそらす。


そして窓の外にいるセリュに目を向けた。



するとこっちに向かって飛んでくる、セリュが視界に入った。




ぶ、ぶつかる?



物凄いスピードでこちらに向かってきたセリュに驚き、目をギュっと瞑る。





「はぁ~、楽しかったです~。でもお腹が空いてしまったから帰って来ました」


セリュの声が間近で聞こえてきた。



あれ?


窓が割れると思たんだけど、大丈夫だった?




あぁ、そっか---


魔法で窓を通り抜けたのか…。



心の中で安堵する。




「うん、すぐにご飯にするね。それより外は寒くなかった?」



セリュの着ている服は白いヒラヒラのワンピースっぽい服一枚。


特に重ね着をしているように見えないから、見ていて非常に寒そうなんだけど…。




風邪を引かないか心配だ。



「全然大丈夫です。周りの気温に合わせて、自分の感じる体感温度の調節が出来ますので」


「へ~、いいなぁ。便利だね」



「あ、でしたらチカさんもして差し上げましょうか?」


「へ?出来るの?」


「えぇ、出来ます」



自信満々に言ってのけたセリュに目を見開き驚いていると、私の体感温度が変わったのを感じた。



一気に外気温が急上昇し、まるで春の暖かい陽気に包まれているようだった---




ポカポカとした心地良さに驚く。




あ…、


あったかくていいかも。




私の頬が緩み、にへっと口元が緩む。